門をくぐると柔らかな弓なりの道。そうして、たどり着く「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」。
母子の命と幸せを守るために設立されました。
赤ちゃんが預けられるとすぐに、看護師等が、赤ちゃんと母親それぞれの元へ行きます。そこで、聞けることがあればお話を聞くそうですが、多くの人が、ためらい、泣き、苦しい気持ちを吐露するとのこと。
へその緒をつけたまま来る人もいる。多くは病院へ行っていないため、1人で出産をし、1人で苦しんでいるお母さんだそうです。
「赤ちゃんポストができたことはよかった。でも赤ちゃんが亡くなる数は日本では少なくなっていない。ドイツも韓国もアメリカも、ポストができてからは、命を守る仕組みが発展し、赤ちゃんの亡くなる数が少なくなっているというのに。 日本にもっと赤ちゃんポストが増えてほしいのです」相談員の方が切々と話してくれました。
こちらに学びに来た人には、ゆりかごに赤ちゃんを預ける体験をしてもらいます。それは、預けに来た人の気持ちを理解するために重要であると考えるからだそうです。
こうのとりのゆりかごができたことで救える命があります。でも本当は、それがなくても救われるような社会に、「出産における孤独」に対する支援の必要性が問われています。
(福祉健康委員会視察1日目8/6①熊本・慈恵病院)