新左近川ラグビー場と学校の校庭の人工芝生化。マイクロプラスチックは?温度の上昇は?人体への影響は?

 

◼️「人工芝生化について 。

現在進められている新左近川親水公園ラグビー場、西小岩小学校校庭については、どのような芝生化の予定になっているでしょうか。

それぞれの素材の安全性、地球温暖化、マイクロプラスチックなど、環境への配慮についてもお聞かせください。

また、スポーツ施設、学校施設における人工芝生化を進める意義と、今後の整備予定をお聞かせください。」


金曜日、本会議質問を終えました。
傍聴においで下さった方、区議会HPより視聴してくださった方、ありがとうございます。

今回は、区民を守り、環境問題を解決するための提言を、させていただきました。12分間の質問となります。お時間あるときに、ぜひ読んでくださいませ。

 


◆【研究を重ねた人工芝のフィールド。しかし、素材によっては、人体や環境への影響がわかってきました。】

真っ青な空に、見渡す限りの、緑。気持ちの良い風が吹く中で、子どもたちは走り回り、寝転がり、スポーツをする人たちの笑顔が印象的です。
芝生のフィールドの光景は、見ていても気持ちの良いものです。

その心地よい空間を作るために、人々は研究を重ねてきました。そして、自然の芝が叶わなければ、それに代わるものを開発し、人工芝のフィールドが出来上がりました。
見た目は、自然の芝と変わらない風景が広がります。

しかし、使われる素材によっては、人体への影響、環境への影響が、懸念される、ということもわかってきました。


◆【SDGs未来都市の江戸川区だからこそ、現在の芝生化に課題があれば方向の転換を】

江戸川区は、区民の幸福を追求する地方自治体です。
また、持続可能な開発を実現する「SDGs未来都市」に選ばれました。
さらに、気候変動適応センターを作り、温暖化対策を強化して、脱炭素社会の実現に向けた取組を推進するということを提案しています。

その江戸川区であるからこそ、現在進めている芝生化の方向で良いのか、その検証をし、課題があれば方向を転換することも必要ではないかと考え、質問をするものです。

◆【新左近川親水公園ラグビー場と西小岩小学校校庭】

現在、江戸川区では、新左近川親水公園ラグビー場と、西小岩小学校校庭について、芝生化が進められています。素材や仕様については、職員の皆さんが、総合的に勘案し、最善であろうと思うものを選んでくださっています。そこにはかなりの調査とご努力があったものと拝察いたします。

しかしながら、検討過程では、生まれなかった疑問や、たどりつかなかった素材があるかもしれません。ですので、改めて、それぞれの素材の安全性や、環境への配慮について、お聞きいたします。

芝生のフィールドを考えるときに大切なことは、地面から地表までの素材の安全性と環境への配慮です。

ここでは、「人工芝」そのものと、人工芝を立たせ、クッション性をよくするために使われる「充填剤」について、考えたいと思います。


◆【ラグビー場の人工芝と充填材と温度上昇】

ラグビー場は、ポリエチレンの人工芝を敷くとのことです。充填剤は、エチレンプロピレンジエンゴムというゴムチップです。

懸念されることの一つは、充填剤に使われる「ゴムチップ」です。使われる多くは廃棄されたタイヤのゴムのため、人体への影響などが取り沙汰されています。しかし、このラグビー場では、廃タイヤではなく、バージン材のゴムを使うということです。しかも、ブラックカーボンは入っていないものを選んでくださいました。
ただ、ゴムであることに変わりはありません。


◆【温度上昇を抑える散水システムは、気温30度の時に、10分間の散水で平均表面温度は、50〜60度。必要な浄水の量は、450ℓ】

ポリエチレンの人工芝とゴムが敷き詰められることで課題となるのが、温度の上昇です。

メーカーは、温度の上昇を抑えるために、「Viu(ビュー)システム」という散水システムを開発し、表面温度62度のものを10分の散水で33度まで下げる、としています。
そこで、より詳しい実験結果を拝見したところ、33度というのは、実は、一番下がった部分の表面温度でした。
芝生全体を見てみると、表面の平均温度は、50度から60度。最高温度は出されていません。
この時の外気温は、おおよそ30度です。

さらに、表面湿度は、散水により一時的に下がるものの、すぐに上がり始めます。
その時の熱さ指数(WBGT)は、27度から28.5度。これは、日常生活においても、運動の指針においても、「警戒レベル」となります。

さらに、新左近川ラグビー場5,000平米のフィールドに10分間散水をした場合、使う水の量は、450ℓ。

メーカーとしては、できれば、1時間おきに散水することが目安、あるいは、試合と試合の間に散水をすることで、選手の体を守る、ということでした。

そうすると、2回散水すれば900ℓ、約1トンです。暑くなる9時から2時くらいの間に、5回散水したら、2250ℓ、2トン以上の上水が必要となります。給水制限の可能性もある夏場に、この水の量が使えないこともあります。


◆【芝生の間に詰めるゴムチップや、芝生の破片は雨に流れ、風に飛び、マイクロプラスチックに】

さらに、芝生の破片や、芝生の間に詰めている充填剤のゴムチップは、雨が降れば、流れます。フィールドの周りには、ゴミを集積するフィルターを設けるとのことですが、それを飛び超えるものもあります。

また、昨今の集中豪雨の時はどうなるのか、メーカーに問い合わせたところ、想定以上の雨の量が降った場合は、フィルター機能を使わずに、排水を優先させる。そのことにより、フィールドを水浸しにすることから守るということでした。ということは、芝生の破片やゴムチップは流れ出るということです。

芝生につかわれるものはポリエチレン。いわゆるプラスチックの一種です。そして、芝生の下のマットは、ポリプロピレン。プラスチック樹脂です。
芝生の破片は、世界中で大問題となっているマイクロプラスチックになってしまいます。

◆【学校の校庭には充填材は使わない】

学校の校庭については、少し違う仕様となっています。

現在のゴムチップの校庭の上にポリエチレンの人工芝を敷きます。
充填剤は使わず、芝をくしゅくしゅと縮めた(けん縮モノフィラメントヤーン)ものを使うということです。
ゴムチップの充填剤を使わないことを選んでくださいましたので、ゴムチップに対する心配はありません。


◆【温度の上昇、静電気、マイクロプラスチックへの対応はどうするか。】

しかし、芝生一面に、ポリエチレンというプラスチックの一種である素材だけが敷き詰められることになりますので、温度の上昇は否めません。さらに、静電気も起こりやすくなります。また、ちぎれた芝生はマイクロプラスチックになります。

以上、懸念されることについて、述べました。


◆【いまとりうる最善の策を願うものです。】
5,000平米のフィールドも、学校の校庭も、将来禍根を残すことになってはならないという思いから、今とりうる最善の策をと願うものです。

現在進められている新左近川親水公園ラグビー場、西小岩小学校校庭については、どのような芝生化の予定になっているでしょうか。
それぞれの素材の安全性、地球温暖化、マイクロプラスチックなど、環境への配慮についてもお聞かせください。

また、スポーツ施設、学校施設における人工芝生化を進める意義と、今後の整備予定をお聞かせください。

以上、質問といたします。 

 

《区長、教育長、文化教育部長から、ご答弁がありました。録画が開始されたら、確認して、掲載させていただきます》

 

【第二質問】

◆【さらに一歩、お考えを進めていただきたい】

ありがとうございます。ご答弁いただきましたように、区としては、今ある中で、最善のものを選び取ろうとご努力いただいています。このところ、毎日のように関係者の方々からお話を伺っておりましたので、改めてその姿勢への信頼を深めております。

だからこそ、さらに、もう一歩お考えを進めていただきたいと願うものです。


◆【解決には至っていない、プラスチックの芝生や充填剤による熱の放射と地球温暖化】

質問の冒頭に、検討過程では、生まれなかった疑問や、たどりつかなかった素材があるかもしれませんと述べました。

疑問、懸念については、先ほど質問で述べさせていただきました。ご答弁を受けた上で、
解決には至っていないこととして、プラスチックの芝生や充填剤による熱の放射が、地球温暖化に結びつくという問題です。そして、それを解決するために大量の水を使う、ということも新たな問題として出てきています。


◆【世界では。欧州科学物質庁は、人工芝用ゴムチップを6年間の移行期間を経て、完全禁止に】

さらに、そこに使われる充填剤としてのゴムチップが、マイクロプラスチックになるという問題です。

校庭は、充填剤を使わないという選択をされました。ただ、芝全体にプラスチックが存在することは事実です。

欧州化学物質庁(ECHA)は、充填剤としての人工芝用ゴムチップのマイクロプラスチックは、6年間の移行期間を経て完全禁止することを推奨するという勧告を出しました。

ドイツでは、約5,000ある人工芝のサッカーコートについて、多額の投資をして設置した人工芝をどうやって天然のものにしていくか、国中で話し合いがされているとのことです。


◆【ゴムチップの人体への影響を、厚労省も研究。最終報告はまだ出されていない。】

さらに、ゴムチップの人体への影響も、完全に払拭されたわけではありません。

厚生労働省は、人工芝グランド用ゴムチップの発ガン性や健康リスクに関する研究を、2016年には800万円、2018年には1900万円の研究費を使い、おこなっています。結論には、発がんなどの健康リスクは低いとはしたものの、EPA(米国環境保護庁)などの国際的動向を踏まえ、暴露評価については、今後報告予定とされています。


◆【人工芝であっても、芝生化することには、大きな意義がある】

では、人工芝はダメなのか。そうであはりません。ご答弁にもあったように、芝生化をすることには大きな意義があります。


◆【天然素材、100%リサイクルできるもの。充填材としての「くるみ」のすごさ。】

現在、芝自体は、プラスチック以外は、なかなか見つけることが難しくもありますが、例えば、芝をつけているマットは、とうもろこしや大豆の油で作られた天然素材が出ており、100%リサイクルできます。

さらに、この芝を立たせクッション性を良くするために使われる「充填剤」、ゴムチップであればここにゴムがびっしりとまかれるわけですが、これも研究が進められ、自然素材のものが出ています。

「オリーブの種」や「くるみ」です。アメリカでは既に使われています。特にすごいのが「くるみ」で、水にしっかりと沈むので流れにくくなっています。さらにすごいことは、気温を下げる効果があるのです。そして、何より天然のものですから、土に返ります。

業者の方々は、必死の努力をされています。

◆【「プラスチックの海」】

「海がプラスチックで溢れている。わたしたちには何ができるのだろうか。プラスチックは分解せず海に漂い続ける。人間が環境を変化させたために、動物たちはそれに耐えなければいけない。環境問題の解決は、全世界の協力にかかっています。」これは、世界70カ国以上、で1200回以上の上映がされ、国連本部でもプレミア上映された話題作「プラスチックの海」の言葉です。


◆【変更できる部分は、ぜひ再検討を願う。】

江戸川区として、ラグビー場や校庭の芝生化を進めるにあたり、変更できる部分につきましては、ぜひ再検討を願うものです。

質問を終わります。

photo : 人工芝と「充填材」に使われるオリーブの種と、くるみ。